クリス・ヘムズワース演じるヒーロー、マイティ・ソー

クリスのソーに出会ったのは2012年の第一作目「アベンジャーズ」からでした。
アベンジャーズについては全員に思い入れがあるけれど、とりあえず自分が一番好きなのはソーなので、彼について話しときたいなと思います(いつも話してるけど記事でまとめたりしたことないから)

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エンドゲーム後の現在ソーを中心に、色々勝手に改めて語ります。※他人の考察にも反論しています

1.だいすきなシーンの話

アベンジャーズ1作目でロキにハメられ、ハルク用の檻に入れられたまま上空から落下したシーンは、「流石のソーも死ぬのでは?」みたいな絶体絶命シーンとして描かれました。

しかしソーはその空気を完全無視し、体当たりして自力脱出。ほぼ無傷。

そんな台無し、ある!!?

その後ロキを説得しようと近付いて思いっきり脇腹を刺され、血が出るソー。
人がいい!!!でも流石にガッツリ刺されたし、これは…

そのままロキを頭上に持ち上げてブン投げたあと、自分で短剣を腹から抜き、特に問題なく動きまわるソー。

えっ脇腹は!?ねぇ!?
脇腹は!?なにこれ!?

すき

トニーが倒れて死にかけて、おい医者!はやく医者!ってみんなが大騒ぎしてるのに、死にかけてる人の心臓にいきなり直で電流を流し込んで「やったいけた!治したぞ!」って大喜びしちゃうあのキラキラ脳筋の頃のソーが見れて、 エンドゲームの過去旅行は本当にありがとうでした。

本当にありがとう

バトルロイヤルのソーは、髪を切られるのがイヤすぎてワーワー悲鳴をあげてるのも可愛かったけど、バッチリ刈り上げられてからは一切引きずらず、何事もなかったかのように雄叫びをあげているのがよかったです。

きみの、その前だけを見てる強いところがだいすきだよ。

あと、目を失ったのにハンデになるどころか覚醒して手がつけられなくなるところ。

エンドゲームで皆じっとアッセンブルを待ってるのに、一人だけ突撃したくてゆらゆらゆらゆらしちゃった挙げ句、フライングで雄叫び上げて走り出しちゃうところ。(ウルトロンでも一番前でゆらゆらしてた)

あと、あと、アベンジャーズの頃のソーがめちゃくちゃキレイな明るい金髪で、両手を横に仁王立ちしてるのに対しての、エンドゲームのソーがぐちゃぐちゃの金髪で手をいつも顔の前でモニョモニョしてるところ…

ソーがきゅんきゅん泣いてるのが、私の妄想じゃないのが信じられません。あんなに縦も横も育った大男が、母上に甘えて子供の頃より幼くなるなんてちょっと、可愛すぎておかしくなりそう。

マジで可哀想な真剣な話なのに、おっっっきいガタイがもぞもぞきゅんきゅん泣いている。

ぐうたら大酒飲んで自堕落な生活しても、美人の母上から受け継いだきれいな金髪が伸びてきてしまう大男…。

そして、この溶けたアイスを迎えに来るのが、よりによってハルクとロケット

基本的に頭ふたつ他人よりデカイ男が、上目遣いでしがみついてくる貴重なシチュエーションと、一番ちっこい奴から「泣くな大男!」ってビンタされるシチュエーション。

夢のようなかわいいの嵐が、エンドゲームに詰まっていました。

2.壊れてしまった戦士のこと

いつも強く前向きでキラキラしていた男は、エンドゲームで立ち直れないほどの打撃を受けます。

仲間を失い、家族を失い、故郷を失い、何もかも失って、ついに壊れたソー。
失っても失っても前に進む男は、最後に進むべき道を失ったときに、はじめて折れた。

娘のネビュラの前でただサノスの首を跳ねたことに、なんの意味もなかったこと。
この先戦う相手すらおらず、人を救える道も絶たれたこと。

子供の頃から「最強の軍隊ヴァルキリーに入って戦いたい」という夢を持っていた彼は、戦ってないと弱っていっちゃう、根っから戦士属性の人だった。

元々失って立ち止まったり、振り返る人じゃないと思うんですよ。傷を埋めることに意味がない。
現に壊れる直前まで、彼は何を失ってもひたすら前に進み続けていました。

失えば失うほど怒りと悲しみを蓄積しながら強く自由になっていく戦士。
気質的には明らかに善の性質を持っているのに、戦い続けることそのものが自分の本質でもある人。

「この人は、平和になった世界ではどうやって生きていくんだろうか」?

えらかったね、もう戦わなくていいんだよ。苦しまなくていいんだよ。って常人は思ってしまうんだけど、そういう優しさで救われる人じゃなかったのだと思います。

あんなに落ちぶれてやさぐれておきながら、「やれることがある。やるか?」って聞かれたときに即答していたのを見て、あぁ好きだなぁと思いました。
失い続けてなお戦うことはできても、失ったところに甘んじて日常を築けないの、本当に戦士なんですよね。

ソーが立ち直るために必要だったのは、自分が見失った道の発見と、その道をさらに進む後押しだった。そして、まだ自分は戦士であるという誇りを形として取り戻すことだった。

だからあの旅で母親に会い、ハンマーを再び手にし、自分の生きていた戦いの道に戻ることができたのだと思います。

3.つらい思いをしていること

わたし的には、その辺の無印の面白シーンの割合が、MCU進むに連れて増えていって、お笑い要員化してるイメージです、BIG3の他2人ならこんなにいじられないのに、みたいな。

だから自分が卑屈になってるのかもう分かんないけど、今回メンタルがヘラって酒に溺れてるだけじゃなくてネトゲ廃人、てのも、ジェーンから逃げちゃうシーンも、なんか笑わせよう笑わせようという意図を感じてしまって辛かったですね……IWで辛い思いしたのに笑われてる…て…

「ソーギャグ要員じゃんw」て観客に笑われてることも辛い……乱闘シーンなんて体型のおかげで貫禄も増えてるのにそれは言ってもらえない…」

ソー好きのフォロワーから受けた嘆きの相談

私は、ソーはわざと同情されないようにされてるな、と感じています。

ソーの強さは、私は人間にはわからないものだと思ってます。
先程の項で書きましたが、読んで納得したとしても、理解はできなかったでしょ。大半の人は、彼の心境がわからないと思います。

彼は1500年以上も生きている存在であり、人間ではない。
ソーについての話はずっと、感情の動きよりも強さに目がいくようになっています。

失い続けてもなお、永遠に戦い続けてきたような存在に親近感を持てる人なんて、いないと思うんですよ。

トニーやキャップが人間らしさを見せるとき、私たちは親近感を持つでしょう。
わかるわかる、そうだよね。怖いよね、大事だよね。と思えるシーンが、ソーよりもあるはずです。

でも、そういう人間に対するような感情移入を、むしろ私はソーに対しては、してほしくない。

すべてを失ってなお戦える、ワケのわからん肉体と精神の強さを持ち、神とまで呼ばれた男が、ビール漬けでメンタルをやられるほどの状況です。
人間ごときが「わかる」「つらいよね 」と思えてしまう描き方というのは、彼の強さを舐めてると思うんですね。

だから、彼の強さや苦しみを理解できない私たち人間が彼に親近感を感じる手段というのは、彼の無知だったり、隙だったりを笑い飛ばすことになるのだと思います。

ソー1、2くらいまではソー、ちょっと浮いてたじゃん。アベンジャーズのなかで。
彼の気持ちに寄り添おうとすればするほど、彼という男を理解できなくなる。人間と何から何まで感覚が違う上に、強いから。

で、バトルロイヤルで吹っ切れた。彼に親近感を見るための、方向性が定まった。
メンタルぐずぐずになっててさえあんまり心配されず、笑われているというのは、彼の「強さ」という魅力から来ているものだと思います。

「誰だって、こんなことがあったらつらいよね」という、同情されるべき弱さとして表現されなかったために、 「あそこまでしないと誰もソーを壊すことができなかった」という彼の強さだけが残った。

私たちの愛するソーという男は、既にギャグ要員でもいいくらい神格化されていて、心身ともに私たちの理解を超えた、強い男なのです。

3.いたずら好きの弟のこと

エンドゲームのソーについて思うこと。

今までの作品見てきた中でもソーは弟の事ほんと好きだよねと思ってはいた。
でもエンドゲーム見て『ソーのロキに対する愛の深さ半端ねぇな…』とめちゃくちゃ強く思ったよ。

ソーはIW冒頭でサノスにロキを殺されていて、今度こそ本当に殺されたと思っているからソーはなんとしてでもサノスを許す事なんてできないわけだよね。

ソーのサノスに対する怒りは『弟を殺された』と『多くの人を殺した』って2つあると思うんだけど、多分『弟を殺された』って方のダメージがでかかったんだと思う。それこそ精神を病んでしまうほど。

あの脳筋ポジティブ男があんなに病んでしまったのは『弟はサノスに殺された。そのサノスを俺が殺してやった。…でも死んだ弟は戻らない』ってことでのダメージが強すぎたからだと思う。

『筋肉は脳だ。つまり筋肉がたくさんある俺は全身が脳だ』とかアホなこと言ってやつがあんなに病んでしまうって、ソーどんだけロキのこと好きなんだよ…やべぇな…って思った。

ツイッターより

ちょっと待って

ロキ好きの人が見てたら大変申し訳ないんですが、ここからはまじで解釈違いとかのアレだと思うんで引き返したほうがいいと思います

ロキが死んだの、インフィニティウォーの最初でしょ?
そこから色々ありましたよね。ロキ以外も死にました。
ロキが死んで以降ソーはそのことに一度も触れておらず、フリッガの前でさえロキの名前は一度も出ませんでした。

「弟を殺された」が壊れた一番大きな原因なら、流石にフリッガの前では言うと思うんですよ…。

ロキどころか父上の話もせず、ウォーリアーズ3の死も一度も振り返ってない。
基本的にソーは、失ったものの話をしません。

ずっと痛みに耐えながら前に前に進み続けていたのは確かでしょう。でも、サノスを倒したところで感情の行きどころを失い、とうとう糸が切れてしまった。
現状のソーを見ている限り、「この人を失ったことが一番直接の原因」ということは、見て取れないと思います。

というか、ロキ何回も死んだ詐欺してるでしょ
実際に死んでなかったとしても、毎回毎回ソーはきちんと信じてきたんやぞ…

お前の死を何回立ち直ってると思ってんねん…

なので、ソーはロキが居なくても前に進めること、過去に証明済みです。

「弟だから」という理由で何度も何度もロキを許して1500年、やってきたけど、もう好きなところに行っていいよ、って言ったじゃないですか。バトルロイヤルで。

どこにも行かず、ついてきたのはロキです。
兄のいない世界に耐えられず、死を選んだのもロキの方でしょう。

強くてキラキラの高潔な兄。
結局ソーに憧れ、ソーが人生の一部であり、居ないと生きていけなかったのはロキのほうだったのですよ。

ソーが死にかけたら、世界中の他人を見捨ててソーだけ生かそうとする男だったんですよ、ロキ。

ロキは結局、最後まで民衆のためのヒーローではなかったけれど、最後に選んだのは弟としての道だった。
そういう俗物的な感情にまみれた男だからこそ、ロキを絶対見捨てないけど、決して特別扱いもくれない兄に、めちゃくちゃに憧れて、それでいて、殺したいほど憎かったワケでしょう。

ロキが死んでも立ち直って前に進んでる「自分の死後の兄の姿」を知っている。何回も見せられた上で、そういう男だとわかっている。

その上で、そういう「弟だけを省みたりしない」博愛の男を、命を捨てて助けたんです、ロキは。

例えばの妄想話だけれども、ストーンで一番にロキを生き返らせようとするソー、生き返ったロキが一番「は?誰これ???」ってなるよ。
「お前の力がないと倒せない敵がいるんだ、みなを救うため力を貸してくれ」とか言われて、「私ではなく私の力か!」って言ったら「もちろん愛しているぞロキ」ってついでに言われて暴れまわるロキまで読めたぞ

確かに家族として愛してはいたんだろうけど、高潔な博愛の男なので、甘えようが何をしようが届かない。どうせ届かない兄なら、拗らせた方がまだ気を引けるし。どうせ刺しても死なんし。
拗らせる気持ちはわからんでもないです。

どんな形でもいいから、兄の執着が欲しかったんだよな。

ロキを黙らせるときのソーが、体の上に無言でハンマー乗せたり、無言で轡はめたりして物理的に黙らせてる辺り、好き。
弟が言葉と魔法で強い奴なのをちゃんと把握してるの、脳筋だけど長年のおにいちゃん経験がちゃんと出ているところです。

4.真面目さとプライドのこと

傲慢だと呼ばれていた頃のソー1のソーですが、私はあれはただのロイヤルムーブであり、彼の気質は当時から真面目だと主張します。

オーディンに「お前に王の資格はない!」と言われて肩の飾りをむしられたときの「えっ…そんな…そんな…」って表情でオロオロしてるソー。

あの顔を見て誰が傲慢なんて言えようか。
ホントに傲慢だったら「はぁ!?ふざけんなよ!!」ってなるでしょう。

「父上は愚かな年寄りだ!」って言った後や、「ハルクのことみんな嫌いだぞ!」って言った後、
「あっ言い過ぎた、いまの言い過ぎた、どうしよう、どうしよう」ってオロオロし始めるソー。めちゃくちゃにかわいい

そもそもソーがあそこまで落ちぶれたのは、彼が真面目だからです。
全部背負ってきたからこそ壊れてしまったワケで、ストレートに受け止めてない奴はそもそも壊れないワケで…。

周りの意見をストレートに聞いているので、傲慢になったのは環境のせいが強いと思います。
オーディンの子育てをもう少し見てみないことには何とも言えませんが、ソーをどうやって育てた?
あなたにもそこそこの責任があるのでは?
と、私はちょっと思っています。

地球に来てからだんだん砕けたキャラになってきたのも、恐らくトニーやクイルと出会って、フザけ方を学習しているのだと思います。

エンドゲームでキャップがハンマーを持ち上げるとき、ソーが笑顔で発する“I knew it”というセリフ

エンドゲームにおけるソーのプロットが「王という役割から解放されて、自分自身であることを認める」というものであると考えると、エイジオブウルトロンでキャップが少しハンマーを動かした際にみせたソーの怪訝な顔、自分は王に準ずる者でありその尊厳を保たなくてはならない、そのためにはハンマーは自分にしか扱えないものではなくてならないと考えていた硬い表情との見事な対比でしょうよ!?!?!?

待ちに待ったファン達の心の声の代弁であると共に、ソーの「王位をもう気にしない、自分の気持ちを素直に口にする」シーンなんじゃあないですか!?!?

エイジオブウルトロンのあのシーンを単に拾ったのではなく、ソーの移り変わりを踏まえた正当な”続き”として描いているんでしょうよ!?!?!?

すごいな…エンドゲーム…

ツイッターより

この意見を友達が紹介してくれました。

ん~でもこれは…私は逆です。

素直になったんじゃなくて、これはソーのプライドだと思いました。
「ムニョのことはおれが一番わかってるから、ムニョを持てる人もおれはわかってたんだからな」っていう。

スターロードの船に乗り込んだ時の図々しさ、見たでしょう。
この子真面目で素直だけども、結構プライド高いんですよ。

それにムジョルニアが飛んできた時の嬉しそうな顔も見たでしょう。
「お前はハンマーの神ではない」と言われて戦力としては依存しなくなったものの、それでもずっと一緒に戦ってきたあのハンマーは、彼自身の価値を担保する拠り所でもあります。

「おれ大きい方使うから小さい方やる!」って言いながらハンマーブン投げてたでしょ。
今まであれだけムジョルニアにこだわりのあった男がですよ。
飛んできたのをあんなにニコニコして持ってた男がですよ。

「小さい方」なんて言うんですよ。

「いいし、ストームブレイカーもあるし全然気にしてない。小さい方としか思ってないから貸してやってもいい」

というちょっとしたマウントですよこれは
可愛いんですよこの男は本当に

5.これからのこと

ラブアンドサンダー、一番気になるのはもちろん、主役がどちらなのかです。
ジェーンなのかな。 ソーなのかな。

レディ・ソー、いいよね。いいけどクリスは見たい

そして、体型
そのままだろうか、鍛えなおすのだろうか。
喪服でも髪はモサ毛のままだったので、もう切るつもりゼロっぽいな。

それはよっしゃ!!!
本人的には断然、長髪でいるほうが好きみたいなので、長髪好きとしては希望の持てる傾向です。

序盤はアスガーディアンズ・オブ・ギャラクシーなんだろうか。
メンタルはどのくらい回復できただろうか。
ロケットといっぱい絡んでくれるだろうか。
いっぱい戦ってくれるだろうか。もっともっと強くなるだろうか。

まだまだ先の話ですが、彼がどうなっても私はついていくつもりでいます。
今後のソーを、楽しみにしています。

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