ルフィはなぜベラミーのケンカを買わなかったのか?

いやー、いいですね。シビれるシーンです。

先日、聞かれました。

ルフィはなんでベラミーのケンカを買わなかったの?

ツイッターのフォロワー

…うーむむむむ…

まぁでも、じゃあ解説するので、こっそり聞いてくださいね。

1.もしルフィがケンカを買っていたら?

仮にこの勝負をルフィが受けていたら、何がダメだったかを説明します。

もちろん、ワンパンでルフィが勝つでしょう。
夢をバカにしたムカつくヤツを、ブッ飛ばせてスッキリします。

そして、ルフィはベラミーと同じレベルの存在になります。

そもそも、このケンカを買ってベラミーをねじ伏せ、「参った、お前が正しい」と言わせたところで、ルフィの意見が正解になるワケではありません。
まだ、あるって確定してないし。空島。

今までルフィが戦ってきた敵は、すべてルフィの進む道を阻んでいた人物です。
彼らを倒さないと自分が先に進めない、または大事な人を失ってしまう。

これらの戦闘は海賊王を目指す以上は回避できません。
たとえ一度回避できたとしても、いずれ必ず、どこかで再エンカウントします。ルフィの進もうとする道の上にいる、「敵」だからです。

ですが、ベラミーはルフィの「敵」としての条件を満たしていません。

空島があると思うなら、ルフィは空島に行けばいい。
高みを目指したいなら、高みに到達すればいい。

ベラミーがどう思っても関係ない。ルフィが道を選ぶだけです。

ベラミーは他人であるはずのルフィをわざわざバカにし、笑い飛ばしています。
夢を見るのが馬鹿馬鹿しいと本当に思っているなら、自分が夢を見なければそれですむはず。
ベラミーは他人の生き方に口出しをしている。よそ見をしている男です。

彼の「ムカつく」が、夢だけを追ってるはずの男から「黙っておけない」という反応を引き出せたとしたら、それはルフィにもよそ見をさせたということ。

「彼を倒さなければ先に進めない」と、認めさせたということ。自分と同じ場所に引きずり下ろしたということです。

だからこのケンカに関しては、買った時点で負けだった。

「夢追いのバカ」が「夢から目を逸らさなかった」から、このケンカはルフィ達の勝ちだったのです。

ベラミーがもし今の自分の道に納得してるなら、勝手に空に行こうとしてるだけのルフィが「目障り」になんて、なるはずないでしょ
自分の人生に妥協しながら他人を嘲るしかない人間、倒したところでかわいそうなだけなんですよね。

ってゾロは言ってるのですナミさんにはわかんないし、彼女はブン殴ってスッキリしたいだろうけど。

2.エースなら、ケンカ買ってたよね?

ここでエースが出されてるけど、白ひげをバカにされたらエースはこのケンカ買うやろ

ツイッター

…まぁ、100パー買うでしょうね。

ただここでエースが出ているのは、「コイツらならケンカ買わないでしょ?」とかの意味ではありせん。

ルフィがモックタウンでなぜ嘲りを受けたかというと、誰も聞いたことないルーキーだったからです。
1億の手配書がまだ出回ってなかったから。要は、ナメられていたからです。

いくら嘲りの街とは言え、白ひげのマークを背負ってる男にケンカを売るヤツなんか、いるワケがありません。

たとえ白ひげが「空島はあるんだ!」と言っても、酒場の人間は誰も笑わないでしょう。それは、正しいからではない。力でねじふせられたからでもない。

絶対ナメられない人間の言葉だからです。

ルフィは全然まだ無名のルーキーなので、そこを目指していたとしても、まだまだ「(目的に関係ない)(ナメられてるだけの)出す拳の見つからねェ喧嘩」が発生するよね~。ってこと。

遠かった夢が近づけば、同じレベルにいる人間には嘲りを受けなくなります。
自分がナメられないほどの高みに行けば、こんな目的から逸れたケンカは自然となくなってゆきます。

また余談ですが、エースの目的は海賊王になることではなく、白ひげを王にすることです。

彼がケンカを売られて買うのは、それは当たり前の話。元々、目的に「白ひげをバカにする奴を許さない」も含まれています。

海軍トップの赤犬はともかくとして、現状の世界は誰も表立って白ひげの悪口を言いません。

なぜここでエースのセリフが挙げられているのか?
「この時代の名が白ひげ」という目的を自ら体現し、実行できている彼は、ルフィと違って名実ともに「高み」にいるからです。

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3.「自由に生きる」こと

ルフィって富、名声、力とか興味ないのになんで海賊王になりたいの?なってどうするの?

質問箱

閑話休題、質問箱にもらいました。

ははーさてはきみ、高校球児に「甲子園行ってどうするの?」って聞くタイプだな。

あのね海賊王っていうのは、富、名声、権力を得るための過程じゃなくて、自由の結果なんですよ 。

「海賊王」は、ルフィに言わせればこの海で一番自由な者のことを指します。
「海賊王になりたい」というのは、つまりルフィは「誰よりも自由な生き方をしたい」って言ってるんですね。

海賊たちが掃いて捨てるほど居るこの時代。
それらに対抗するための海軍もまた、数え切れないほど居る時代。
この時代に「海賊王になる」ことは、最も難易度の高いミッションです。

誰かに阻まれて詰んだ者は、海賊王にはなれません。

阻んだものをすべて押しのけ、この難易度の高さのなかで一番上に駆け上がった一人。そいつは、我を通しきって、この時代を一番自由に生きられた男のはずです。

だからルフィは冒険を重視する。やりたいことをやる。
「海賊王」の称号を、到達する場所の名前ではなく、自由に生きた人生の結果と見ているからです。

この海で一番自由な生き方を成功させた人間が結果的に「海賊王」と呼ばれ、目に見える形の証拠として富と名声と力をも得る。

もちろん富と名声と力が最終目標で、それらを夢見て「海賊王」を目指している海賊も沢山いるでしょう。レイリーの言うように、海を「支配」しようとしている奴もいるでしょう。

でもルフィが興味があるのは、頂点を目指す者の「生き方」。
その自由さの部分です。

4.進む道を逸れないこと

ルフィは空島を見つけたときも、鐘を鳴らしたときも、なんならモックタウンを出た瞬間から、ベラミーの話を一切していません。

空島はあった。でも、ルフィがそれを証明しようとした相手は「ない」と嘲笑ったベラミーではなく、「ある」を信じ続けたクリケットさんだった。

自分の意見を軽視する者達を一人一人論破する必要はありません。
夢追い人に、そんな暇はないのです。

自由に生きるために必要なのは、その道に立ちはだかる者を跳ね除けること。
そして、それ以外の道に居る者に脇見をしないことです。

でも違う道に居た人間が、一生違う道に居るとは限らないんだよね。ONEPIECE!!!!

…こっちの話も?

いいよね。
最高。

こっちの話は、また、そのうちね。

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