ONEPIECEが抱える「女性蔑視」問題

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ONEPIECEの感想として、「女性蔑視」問題についての視点から書かれてる方が居ました。

いや~…「ONEPIECEを読んだ上でこう思う」、と言われてたのが嬉しかったキモオタです。
昨今の「ONEPIECEは読まずに叩いてもいい」みたいな風潮、イヤ過ぎるからなぁ…。

「お前はジェンダーについてわかってない!!」と言われたことで、あれから私は自分で調べました。ジェンダー問題。
そっとしておけ、とも言われたけど、まぁ自分も無関係なワケでもないしね。

それで結論としては、

やっぱONEPIECEって女性蔑視漫画ではない。

ので、以下にまとめます。

1.「女の子」は、世界一の剣豪になれない

「くいなが、女の子だから世界一強くはなれないと言ったあとに死ぬ」
「ナミが、ルフィに泣きながら助けてと言う」

これらのシーンは、明白な女性蔑視である。

「明白」。
ということで、これが女性蔑視にあたる理由については書かれていなかったのですが、この方面の話題に無知な私には、「明白」な理由がよくわかりませんでした。
なので理由は推測ですが、「女が弱いものという描き方をされている」ことを問題視している、ということでいいのでしょうか。

じゃあ、まずここで私が今回調べた、ジェンダーというものの話をします。
にわか知識で間違っているかもですけど!

性とは、大まかに分けて3種類に分類できるそうです。

それが
「セックス」、「セクシュアリティ」、「ジェンダー」。

「セックス」というのは男か女か。
生まれ持った体の性別で、(悪魔の実が関係なければ)基本的には一生、このどちらかです。

次に「セクシュアリティ」。
これは体の性別に関係なく、自分が自分の性別をどう思っているか。
「どちらでもある」とか、「どちらでもない」とか、恋愛対象になる性別も含めると、めっちゃ色々種類があります。

最後に「ジェンダー」
社会の中で生きていくうえで、自分が性別の観点から担う役割や、待遇のこと。

それで、多分齟齬が生じているのはココ。

ONEPIECEに女性差別を感じている人が指摘する部分ですが、私はこれは「ジェンダー」ではなく、「セックス」の問題だと思うんですよ。

この件で別の作品を挙げて、「ジェンダー的にイイ!!」と言っている方も居ました。

例えば「マッドマックス/怒りのデスロード」

フュリオサ、強かったねぇ。
マックスより強いまであったね。

それから「進撃の巨人」

これは未読なので何も言う資格がないんだけど、女の子も男と変わらず戦うのかな?(違ったらごめん)

い、いやでも、それをスタンダードにするのって、無理な話じゃない?

だって体が違うじゃん。
「女が男より力が弱い」って、基本的には当たり前な話でしょ。
それは「背が低い人は高いところの物が取れない」とかいうレベルの話ではないんだろうか。


ジェンダーの観点で、「立場」を平等にすることは確かにとても重要なことだと思います。

でも、基本的には女は男より弱いものでしょ。力は。
それは「差別」というより、「区別」でない?

自分の体が男より非力だという「事実」に悩むくいなと、その悩みをライバルとしての「立場」で共に乗り越えようとするゾロ。

むしろジェンダー的に言えば、素晴らしい話…なのでは…ないでしょうか(弱気)

ONEPIECEの世界には、「力」では男に劣るとしても、スピードや知性、様々な「能力」をプラスして男と平然と渡り合う女たちもいて、女が弱い世界ではありません。

重要勢力のなかにも女性はいっぱいいます。
くいなも将来、きっとそんな一人になったことでしょう。

ただ運悪く、たまたま不幸な事故で亡くなっただけです。

コウシロウ先生はおっしゃいました。「人間は脆い」
「女は脆い」ではありません。

強くても、未来があっても、 運の悪い偶然が重なって死に繋がることは、誰にでも起こりうることなのです。


行きます。

2.泣きながら助けを求める「女の子」


…ん?

これって、人間が魚人の力に勝てない話なんですが、性別がなんか関係あります?


彼女はただ勝てなくて泣いた弱い女性ではないんです。

少女のころの決意を胸に、8年間一度も泣かず、ずっと一人で戦っていた「強さ」を持つ女の子なんです。

そんな彼女が、最後の最後で信頼できる仲間にやっと見せた「弱さ」。

「力」が足りなかったのはナミさんだけではありません。
直接立ち向かうことが出来なかった者たちも、己の「できること」を全うしようとしていました。

そんな中で、アーロンに勝てるのはルフィだけだった。
だから、ルフィがアーロンと戦った。

…いま女性とか関係あった!?



いやこんな明白な話なんだからそれを踏まえた上で「明白に差別的」なんだろうけど、わかんねぇ…

ナミさんがアーロンを倒せばよかったんだろうか?

ちなみに、むしろ泣き虫はルフィの方であるということも良ければ知っておいてください。



それから根本的な話です。

3.男の世界はカッコよくて、そのカッコよさのためなら女を踏みつけにしてもいい。

というのがONEPIECEの世界観と思ってらっしゃる方がいるみたいです。

逆です。

「男の世界はくだらなくて無意味。世の中を賢くわたっていけるのは女である。」

生産性のあることができず、信念という謎の軸に振り回され、ためらいなくポンポンと死んでいく。

男たちは「どうかしてる」んです。


またマッドマックスの話を出すけど、あんな世紀末でも女性は全員理知的ですよね。
男が何してるか見た?

太鼓叩いて白塗りになって爆走してるんだぞ。
完全にどうかしてるだろ。


ただそこに美しさを感じるかどうかは、人によるとしか言いようがありません。

時々ナミさんが「こうした方が効率がいい」と提案して男たちの反発をくらうけど、あれもくだらないのは男側。

冷静に考えれば、ナミさんが正しい案件ばかりです。

家族を放り出して海賊になるヤソップはクズなのです。
それをカッコいいと思うウソップはバカなのです。

男とは、クズでバカなのです。



あとなんだっけ。

4.ホルホルの実で女になった男たちがみんなバカになっている。

イヤぁ、男になった女性陣もだいぶ粗野ですけどね…。

あの実は、基本的に本人の人格よりも「女性らしく」「男性らしく」なる実っぽいですよ。

本編で性別変わった人たちも、元の面影なくなってますから。


というか、可愛い物や甘い物が好きな女性っていますよね。男性よりは、多いですよね。

で、なんでそれがバカなの?

女性性が強くなることに嫌悪がある人がいるの、それはまだわかりますよ。
占いや可愛い物が好きな女性、私は別に可愛いと思います。

でもそういう女性たちを、バカだと思うの?

賢さと嗜好は、関係しないと思うけど。
そういう物が好きな人たちが、他に何も考えてないと思ってるんですかね。

少なくとも私の個人的な視点では、アホな部分の多い普段の一味の知能から、更に輪をかけてバカになったようには見えないです。

「男女の力の差や考え方の違いがない世界を描く」ことが仮に「正解」だとしても、果たして正解だけを描くことが、正しいんでしょうか。
私には「明白」なはずの差別描写がうまく見えないのです。

信者だからというのはあります。
確かにあります。
大いにあります。


だから、ハッとさせてくれる、納得のいく答えが欲しい。その答えをくれる人はなんだか、居なさそうだけど。

追記

5.エロ発言

忘れてた。

尾田っちがエロ本の話したり、女体至上主義みたいな話をする件に関してね。


あれがけしからん!ってそりゃ当たり前だ。
尾田っちは保護者からの苦情前提であの話をしてるんだから

私だって、表立って「男がエロくても賛成!」なんて言わないよ。

でも大人たちが「ダメなもの」「けしからんもの」として封じ込めたところで、少年たちがエロくなくなるわけじゃないんですよ。

少年たちに「ダメだよー」って言って、教えながら真っ直ぐ育ててくれる大人たちがちゃんといるからこそ、尾田っちは少年たちの味方として、息抜きの場になることができるんです。

それが、少年漫画という娯楽だと私は思います。

※この記事を書いた時点では、ビッグマムはまだほとんど登場してないことをお伝えしておきます。

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