差別表現と、女性読者のお話

こちらの記事では色々お騒がせしました。

追加でぐだぐだ言うだけだから別に読まなくてもいいです。めっちゃ長いし。

読んでくれてもいいよ。ヒマならね。

1.お互いに理解するための前提の確認

今回バズって、一番突っ込まれた話が「ONEPIECEの中の差別的表現」について。

私はそこについてちゃんと考えたことなくて、言われることはごもっともだと思いました。
(LGBTという言葉も初めて聞きました)

「ONEPIECEを読んで、その中の表現に違和感を感じました」

わかりました。
では、私もしっかり考えたいと思います。

「ONEPIECEは読んだことがない、読む気もない。あまりよく知らないしこれからも読む気はないけど、差別的表現があるのは良くないと思う」

…えっ?

………えっ、知らないの?
じゃあ、何をもってONEPIECEの中に差別表現があると思ったの…?
人から聞いて?

あっ…そう…

「この人に話しても理解して貰えそうにない」ってずーーっと、言われてましたけど…

そもそも私は、議論というのは同じものを見て、それぞれの目線で考える、ってところから始まると思っていました。
ところが、「ONEPIECEに差別表現があること」は、読者ではない人たちから「前提」とされている。

なんで?
だって、読んでないのに?

それで「ONEPIECE全力で叩き潰します!」とか言われても、残念ながら抵抗します。

叩き潰しに来る前に、ONEPIECEがどういう表現をしているのか
全部ご自分で考えてから来てくださいね。
私はONEPIECEについていつも考えている人なので、上辺のイメージで、偏見や感覚で、ONEPIECEを貶されたくはありません。

そういうわけで、差別表現があるから今後はこうすべき。という、「こう」の部分のお話しかすることができませんでした。
なので私は、今から「差別表現があるから」の部分、前提部分のお話をしたいと思います。

これは、ONEPIECEの差別表現についての私の考えです。

絶対に正しい。とは言わないし、「実際に不快な思いをした」という人の感想を否定しようとするものではありません。
そして、「ONEPIECEを読みたくない」という層に読ませるつもりも、もうありません。

私の考えをただ、書くだけです。
だから最初も言ったけど、ヒマな人だけ読んでね。

まず、「オカマ」と、「ニューカマー」について。

2.ONEPIECEのオカマ描写の何がいけないのか?

「彼らの何が差別描写なんですか?」と聞いたとき、返って来た答えはこうでした。

 「性的マイノリティをネタキャラとして、いじっていること。」

…うーん、まずですね。

ONEPIECEにおけるオカマは、「性的マイノリティ」のことではありません。

オカマ界の女王、イワさんは人のホルモンを操る能力を持っているので、彼(女)の周りのオカマ達は、実は本物の女になりたいと思えば、自由になることができます。

なのに、男のままミニスカートと網タイツを履くことを「自分で選択している」のです。

これがニューカマー。これが自由。魂の解放です。
みんなが、なりたい自分になればいい。

上記のイワさんの能力により、ニューカマー達は元の性別がわかりません。
見た目が「オカマ」に見えたとしても、女が男の体になって、女装している可能性さえあります。
この世界においてのオカマは、「性自認が女で、体が男の者たち」を指すものではありません。

性別に囚われることをやめ、新たな自由の扉を開いた者たちです。

またイワさんの部下ではないボン・クレーは、上記の「ニューカマー」には該当しません。
彼(女)は、「男であり、女である。だから最強」という「第三の性別」としての概念で「オカマ」を名乗っています。

また、おそらくボンちゃんの恋愛対象は女性です。
この世界の「オカマ」という言葉は、同性愛者の意味も持ちません。

「オカマは蔑称」というご指摘もいただきました。
ですがONEPIECEのオカマは、「オカマバー」に行った作者が、「オカマ」と名乗る人たちの協力を得て描いたもの。

ヒトにもトナカイにもなれず、「バケモノ」と蔑まれて迫害されたチョッパーは、最近自ら「怪物(モンスター)」を名乗るようになりました。

他人にいじられて不本意なままに呼ばれるものではなく、本人が名乗っている言葉です。

蔑称でしょうか?
誰が誰から、蔑まれているのでしょうか?

「今ではオカマはあんな変な人ばかりではなく、普通の人もたくさんいます」
「オカマを不細工に描くことでギャグにしているのがよくない」

今もいるああいうタイプのオカマは、普通じゃない変人呼ばわりでいいんでしょうか。

不細工は欠点でしょうか。
不細工は、存在するだけでギャグですか?

ちなみに余談ですが、この辺りの「女性的な言い回しを使うものの、オカマを名乗っていない人たち」のことをオカマ扱いする人は、ONEPIECEには一人も出てきません。

ONEPIECE世界の「オカマ」は名乗りたい人が自ら名乗るもので、名乗りたくない人が不本意に呼ばれる蔑称ではありません。

「ネタキャラ」の基準というのも、非常に恣意的です。

「見た目が変」「性格が変」「存在が変」「笑える」…

「ネタキャラ」と呼べるキャラクターばかりです、ONEPIECE。
この世界では、変であることは「普通」のことです。
「オカマ」は、変ではいけないのでしょうか?

私は、どれだけ変でも誰からも咎められない世界のほうがいいな、と思いますが。

3.泣きながらオカマから逃げまわるサンジ

これについて言及される方も、めっっちゃ居ました。
ちゃんと読まずに話している人たちに、ご説明しますね。

まず、サンジは元々異常な女体好きです。

(最低です。)

仲間でも男にはこうです。

男、大っ嫌いです。

ナミさんに優しくされてたら、子供でも嫌い。

一貫して女の子至上主義のクソ野郎です。

また件のシーンでは、オカマ達はサンジを恋愛対象として(性の暴走のような状態で)追いかけているワケではなく、彼にドレスを着せようとしています。

彼(女)達は、サンジを自分たちの仲間にしようとしているのです。
ルフィがやってるいつものやつです

即答で蹴るサンジ。
まぁだって、女好きですから。

ところが、彼はこの態度の割にはカマバッカ王国で結局2年過ごしているのです。
2年、つまりは作中で言う麦わらの一味の所属期間よりも長く。

イワさんを呼び捨て。
仲間の元まで送ってもらい、お礼、お別れ。

めちゃめちゃ信頼関係築いてるじゃん、お前…。

サンジの大事な人間たちとして挙げられるのは、一味、バラティエ、その次にカマバッカ王国。
ズブズブです。

サンジが嫌いなのは「男の体を持つ者すべて」なので、彼にとっては男もオカマも同じもの。
上っ面では仲間や子供にすらキツくあたるサンジですが、それでも実際には必ず関係を築き、誰より守ろうとしてくれます。
毎度毎度、「女しか助けない」と言い放ちつつ、男を見捨てたことはありません。情に熱い男です。

「女装集団が気持ち悪くて逃げていた」ワケではないどころか、

結局自分も着てたから。

オカマ達がサンジを逃がすため、「自らの性を武器にする」ことで海軍を足止めすることは、ナミさんの「幸せパンチ」と変わりません。
行動自体には賛否があるかもしれませんが、これらは誰に強制されているワケでもなく、彼ら自身が主体的に取っている行動です。

つまりONEPIECEにおいて、

「オカマ」が特別視されている描写はなく、「オカマである」ことに反応する人物も居ない。
彼らは、「そういう属性を持つ一人の人物」として登場するだけです。

性別を超越し、常識を覆し、みんななりたい自分になればいい。
彼らは、不細工なネタキャラではありません。

奇跡を呼び新しい世界を作る、民衆の扇動者。
古き体制を打ち壊す、ONEPIECE界の革命家たちです。

また、「ONEPIECEは女性読者を対象にしてない」っていう話についてもちょっと。

3.少年漫画として、女子をどう見ているか?


尾田っちが何を言ってるか、みんな知ってる?

「女子の好きなもの(キラキラとかふわふわ)については、あまりよく理解できない。」
「漫画は少年に向けて描く。」
「男のロマンという言葉には、女子も含んでいる。」

(要約)

別に、女子を排斥している訳ではないんですよ。
「女子の世界はくだらない」とか、「男の世界に入ってくるな」とか、一言も言ってないんですよ…

わかるなら来ていいし、わからないなら住み分けようねって言ってるんです。

「男の世界はそんなに美しいものじゃない」
「よさがわからない」
「本当にそんなよさが存在するのか?」
「そこを変えても面白さは変わらないと思う」

って、言いに来る人たちは、わざわざ尾田っちが引いてくれた線を踏み越えて、文句を言ってきてるんです。

わからないなら、わかる世界に行けばいい。私は、私のためにある世界じゃなくてもよいです。
だって、拒絶されはしないからね。


あと最後に。
私のこと「作品からずっと離れてないファンだから、偉いと思ってる」って言ってる人がいたんですが、

長年やってるいい作品なんだから、ずっと好きなファンが居るのは当たり前です。

読者の価値に、立場に違いはありません。全員に読む権利と読まない権利があります。

作品から離れてない私のようなファンが居るということは、偉いのは読者を離れさせなかった作者。
尾田栄一郎の功績だということを勘違いしないでください。

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