【感想】ワンピース ワールドシーカー

ワールドシーカーのメインストーリーを全クリしたので、感想を言います。

・背景80点
・ストーリー10点
・キャラクター10点
・やりこみ度10点

って感じ。

1.ゲームの仕様について

これ、単純にゲームとしても、キャラゲーとして見ても、面白い部類ではないのでは?

まず、面白いところ。

山頂から町まで飛び降りても死なない。ゴムだから。
ゴムゴムのロケットで移動できる。ゴムだから。

ゴム人間じゃないと到達できない高さに登れるのは、なかなか楽しいです。

あと背景がとても綺麗。
スクリーンショットを撮ると、とてもいい絵になりますね。

…まぁでも、いいとこそれくらいかな。
走り回って雑用こなすゲームです。

バトルパートの仕様。
モブは攻撃中無敵なのにこっちは無敵が全くない。

つまり複数に囲まれてしまうと、自分が攻撃している相手以外から攻撃を受けまくり、自分のコンボは止まり、袋叩きになる。

なので、ちまちまヒットアンドアウェイするしかない。モブは必殺技を撃っても死なないし、こっちは一発で1~2割減るので、走り回って時間稼ぎをするやたら冗長なバトルになる…

狙撃手が1キロくらい先から動くルフィを正確に狙撃してくるし、直前に避けてもその先を撃ってくる。狙撃手のいる建物に登りにいかないと反撃の手段がない。

そして原作キャラが出るとボスバトルが始まります。

…なんだけど、必死になって倒しても「強くなったな」「人に呼ばれたからまた今度な」って上から目線で帰られる。

実質、誰一人倒せない。
爽快感ゼロ。

イベントパートの仕様。

仲間たちはサニー号の上で立ってるだけで、一緒に冒険はできない。話しかけると時間をかけてアイテムを取りに行く。

ソシャゲかよ。

大したイベントが起きないというか、ONEPIECEっぽいイベントがないので、ルフィが延々と雑用をこなす。(これ集めてきて~とか)
幽霊騒動の原因がブルックでした~!を何回もやる。

民家が全部ハリボテで、店は全部閉まってる。
フルボイスでも何でもないので、ムービー以外では声も聞けない。

芸術的なハリボテのなかでゴムっぽく動く。ということに全ての製作費を費やしたゲームでした。

おつかいゲー過ぎる。
これは銀魂の、よろず屋とかでやるべきでは?

2.ワールドギミックの不満

「冒険」にステータス振ったわりには、「冒険」のなんたるかを全くわかってないのが致命的でした。

「冒険においてワクワクするのはどこか?」というのをまず箇条書きにしてほしかった。
そして、そこを大事に作ってほしかったな。
ほかは本当に、適当でもいいから。

たとえば空島の冒険にワクワクするところ。っつったら

・雲がまふっとする
・変な形の植物や魚がいる
・水流があるはずのところに陸と違う成分の流れる雲がある
・地上にはないアイテムがある

とか、ざっとそういうところだと思うのです。
ただ「浮いてる場所です」以外何もなさすぎて、むしろ空島に行けたときとてもガッカリした。

ナンデモ砲で空島到達とかいう、原作の苦労を何もかもハショった上にルフィ単独行動限定の方法。
それ、海に落ちたらどうするの?雑。

ルフィ一人で冒険したって意味ないしなぁ、ONEPIECE。

そして「海楼石の銃弾」

まさにゲーム発売直後に「小さく加工できない」という設定が本誌で出てきてしまい、モブの狙撃が全てルフィに効く理由としての「海楼石だから」が死んでしまった。
間すら悪いゲームでした(ていうかそんな便利アイテムが今まで出てないんだから大体想像つくでしょうが)

そもそも「この島の銃は海楼石の銃弾なのでゴムに効きます」の破綻設定、必要だったんだろうか。
私は風船で受けてカウンターとかできたほうが、楽しかったと思うんだけど…。

ちなみに、水に落ちても一切ペナルティはありません。なかったことにしてすぐ直前から始まります。

うーん…ペナルティがないにしても、仲間に拾ってもらうとかね…
仲間が何もしないこのゲームでは無理ですが…。

仲間がいなくて絶体絶命なら、セーブポイントまで戻されるとかかな…
むしろ別に死んでもないのに、ミッション失敗でセーブポイントまで戻されるほうが納得いきませんでした。逆にしてほしい

3.キャラクター崩壊

このゲームは基本ルフィしか操作できないので、「敵に気づかれないように潜入する」とかいうミッションもルフィがやることになります。

それ、成功したらルフィではないよね?

そういうのできないの、原作で散々見たが…
しかし仕様上、「ルフィが」成功させなければ、先に進むことができません。

またこのゲームのルフィ、子供のおもちゃの舟を踏み潰して「だってわざとじゃねぇし」とか言って最後まで一度も謝らず、唖然としました。

信者の私からすると、ルフィは「何を言い出すかわからない男」「でもこういうことは絶対に言わない男」というわりと一貫した存在なので、「ヘラヘラして他人事に首を突っ込んでくるけどいきなりキレ出す何やねんお前」みたいなこのルフィに、ルフィを感じられなくてめちゃくちゃ困惑しました。

例えば「バイバイ」とか「仲間の絆」とか、原作ルフィが絶対使わない単語を公式ルフィは平然と使います。
その場では違和感がないかもしれませんが、本来それをそのキャラが「使わない理由」が無視されていれば、キャラの思考回路がズレてくるじゃん。

それは別キャラじゃん。

まぁどれだけ「ルフィが言わないこと」を排除しても、「ルフィが言うこと」の再現がどのみちできないので、どうしても公式がこういうカンジになることはわかってるんだけどさぁ…

ワールドシーカーのルフィがもし原作のルフィだったら、私はONEPIECEを好きになってないもん。

でも世間の人の結構な割合が、たぶんルフィをこういう奴だと思ってるんだよね。

ルフィ以外のキャラクターを見ていても頭が痛くなります。

空腹でやってきた海賊を邪魔がって倒すサンジ。
抱きついてくるルフィからスッと身をかわすサボ。
島が大変なときに大事な宝を盗み出そうとしてヒロインにドン引きされ、めちゃくちゃギスギスするナミさん…

いやいや。
尾田栄一郎の不在をこんなにも楽しめない大人になってしまうとは。
まぁ楽しくクリアしたけども、ほぼずっとキャラクターには文句を言ってました。

4.全体的な感想

とりあえず原作キャラをポンポン出してくれれば不満ももうちょっと、うやむやにできたかも。

ルフィとモブ。ルフィとオリキャラ。みたいなのが延々と続くのは、わりとつまらないのです。

そんで、そのわりにこの島には原作の重要キャラが集まりすぎていて、すごくリアリティがない。

タワーのファントムだったり、アンリミテッドシリーズだったり、ああいう「いままで戦ったやつの幻影と戦う」設定は、便利設定だけどまだ納得しやすかったなぁ、と思いました。

本当に背景が綺麗なだけのゲームでしたね。
ちょっと期待しすぎたのかもしれない。

ナミさんの入浴覗いたら水着着てたのも腹立つし!!!

実際、文句を延々と言いつつも、尾田っち不在のストーリーにはそこまでハイクオリティを求めるつもりもないので、今回ワールドシーカーにがっかりしたのは「冒険」をテーマにしたはずなのにあのレベルだった。ということです。
「ゲームだから」で諦められている仕様が、ことごとく期待していた部分だったのです。

どこが楽しみどころだったのかな。
やっぱゴム人間の目線かな?

DLCでローとかゾロとかを使えるようになるらしいけど、また新たにちまちまと雑用生活に戻る気にはなれませんでした。
うっかりデータも消えちゃったので、潔く売ってしまいます。

散々酷評しておいてなんですが、気になる方はどうぞ。
私は次は、海賊無双かな。

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