★☆祝☆★3月18日
ONEPIECE STAMPEDE円盤発売!!!!
皆さん、鼓動のボリュームは上がってますか?
ぼくはめちゃくちゃ上がっています。
ONEPIECE信者です!
劇場版ONEPIECEはどれもそれぞれにいいところと味のあるところ、見所がありまして、有象無象一長一短当たりハズレ個性的と言うべきラインナップなのですが
そのなかでも、私は2009年公開「STRONGWORLD」以降の作品に関しては、どれもやりたいことの違うONEPIECE映画の最高傑作だと思っています。
見ようかな、と思った人が、性癖で自分に合う一本を選ぶことができます。
「ONEPIECE、あんまり知らないんだけど」
「気が向いたら一本くらいなら見てやってもいい」
「よし、おれ好みの一本を提案してみろ」
ありがと~~~!!!
信者フィルターがあるので実際見たときつまんなかったり、わかんなかったらゴメンけど、それぞれの魅力と欠点の双方を、なるべく丁寧にご紹介させていただきます。
ここ見てるONEPIECE信者の皆さんは以下、読まなくていいので、もっかい全部見てきなさい
さよなら~~~!!!
1.ONEPIECE劇場版の歴史
まず、直近4作以前のONEPIECEの劇場版に関してざっくり説明をしますと、
完全なオリジナルをやってた時期、原作の焼き直しみたいなことやってた時期、そして原作のエピソードをダイジェストにしてお出しされていた時期があります。
ONEPIECEという漫画は島から島へと冒険が続いていくため、オリジナルエピソードでは原作に登場しない島のエピソードを差し込むことになります。
ところが、「仲間を取り戻しにゆこう!」「王女を国へ届けよう!」などと彼らは意外に目的を持って進んでいくことが多く、エピソード同士が密接に関係していたりします。
期間限定で船に乗せている人間がいたり、別行動中で欠けている仲間がいたり、とくに後半になってくるとなかなかオリジナルエピソードを入れられるタイミングがありません。
そのため(と私は思ってる)映画ONEPIECEは原作で描かれた「ドラム島編」「アラバスタ編」を劇場版に組み直すということをやり始めました。
これがまた…。
壮大なエピソードを2時間弱に詰め込むというムチャクチャな物で…
これらに関してはこの記事では割愛しますが、まぁそういった諸々もありまして。
2009年より前の劇場版は個人的には、ONEPIECEオタクのみが履修するものでよいかと思っています。
2.『ONEPIECE FILM STRONGWORLD』(2009)
さて。
ここからONEPIECE映画の新たな歴史が始まりました。
この映画はONEPIECEという原作の面白さを切り出して、映画の形にしたものです。
これからご紹介する4作のなかでは、最も「ONEPIECE」を体現していると言えるでしょう。
なぜなら、すべての劇場版のなかでこの映画のみ、『製作総指揮・尾田栄一郎』だからです。
すべての舵を原作者がとっているという、メチャクチャに贅沢な映画です。
●こういう人にオススメ
・ONEPIECEは途中まで読んでいる。好きだけど、長いし忙しいしで現在脱落中
・ONEPIECEわからない。とりあえず雰囲気とノリを知りたい
・楽しくてカッコいいものが好き。精神年齢は小学生男子
・動物が好き
・ナミさんが好き
前半は未知の島の冒険でワクワクし、後半はド正面から討ち入りバトルで昇天する。
飽きずに楽しめる構成になっています。
信者として一番の魅力だったのは、尾田栄一郎が考えたセリフが目ではなく、まず耳から入ること。
原作以外のルフィは本来、「原作にないけど尾田栄一郎が考えたセリフ」なんてものを、喋ることがないんですっっ!!(熱弁)
逆に信者から見たこの映画の欠点としては、まさに原作過ぎること。
歩くとブーブー音がするキャラ、ところ狭しと走り回ってアクションする大量の動物たち。カラフルな島からの引き締まる黒。そういうものは、漫画という媒体では表現しづらいものです。
音と声と色のある映像を作る場を与えられて、じゃあ漫画ではできないことをやろう!と思って実現させるのは、本当に尾田栄一郎の才能だと思います。
でも尾田栄一郎ってな、漫画家なんです。
彼はそもそも、漫画が上手すぎる。
漫画で不満が一切ない身としては、彼に映画を与える必要性はとくに感じなかったりもする。
元々、音も声も色も与えずにあれだけ面白いんだぞ
「ピンク色の雪を降らせる」シーンに「漫画が白黒だからわかんないわ」とか言ってる人、見たことないもん(居たらごめんね)
「後にも先にも映画に関わるのはこれっきり」のつもりで臨んだ結果、できた映画と言えど、ONEPIECEとは、漫画なのです!
映画を作るより、原作を描いてほしい。
これを見るなら、原作を読んでほしい。
そんな映画です。
…なんかこれは紹介文じゃなくね?
まぁいいか
3.『ONEPIECE FILM Z』(2012)
ここから、尾田栄一郎の肩書きが「製作総指揮」から「総合プロデューサー」に変わります。
要は、「全部ぼくがやります」から、「全部ぼくがチェックします」に変わりました。
さて!
尾田栄一郎の「あと○年で完結します」と「映画にはもう関わりません」は信用してはいけません。
常に、やったことのないことに挑戦したくて寄り道をするルフィみたいな人です。
●こういう人にオススメ
・ONEPIECEあんまり知らないけど、多分おれはもっと硬派
・麦わらの一味よりも敵を好きなことが多い
・強さも好きだが、男は哀愁。精神年齢は男だけど小中学生ではないと思う
・ナミさんが好き
・ロリコン
原作ONEPIECEは常にルフィが主人公です。
あれだけカッコいい男たちが湯水のように登場させられながら、ルフィの冒険からブレない漫画です。
でも映画では、そうじゃないものを描くこともできる。
麦わらの一味と同等以上に魅力的な男が一人主役に据えられた渋い映画になっており、原作には決してできない(やらない)ONEPIECEを描くことに成功しています。
監督をつとめたのは『ドラゴンボール超 ブロリー』(2018)の長峯達也。
この人は敵のはずの男の魅力と、立ちふさがる圧倒的なパワーを描くことに関してプロ中のプロ。あと多分ロリコンです。
ただし映画のヒロインはブルックです。
この映画の欠点としては、そう、ONEPIECEっぽくないこと。そうです、長所と短所は表裏一体なのです。
ONEPIECEに期待している「ルフィの話」が最低限に抑えられており、敵のはずのZを好きになりすぎてしまうこと。
また冒険要素が少なく、ほぼ男の人情とバトルであること。などから、この4作のなかでは女性層に受けが悪い作品だったように感じました。
この映画に「ONEPIECEっぽくない!いやだ!」という文句を言いたくなった人、前回やったからね。あなたはきっと、STRONGWORLDが向いています。
3.『ONEPIECE FILM GOLD』(2016)
映画はもうやらない詐欺の男、尾田栄一郎が再び総合プロデューサーをつとめています。
なんとビックリ、またも前2作と一線を画す、新たな境地に到達です。
●こういう人にオススメ
・ONEPIECEわからない。ルフィってどんな奴?
・仲間なんてくだらない助け合いの集まりだと思ってる
・なにも考えなくても楽しい映画体験がしたい。でも驚きもほしい
・なんだかんだで一生懸命な人間が好き
・ナミさんが好き
長年一緒にいるルフィたちの「仲間」というシステムは、今どんなふうに機能しているのか?
何が得意で、何が不得意なのか、お互いのことを理解して助け合えると一体何ができるのか?
そのあたりを見ていただければと思います。
ちなみにヒロインはゾロです。
この映画はONEPIECEと映画という、2つの媒体のいいところコラボです。
ONEPIECEが持つ面白さだけではなく、映画体験そのものの面白さに特化しています。見るのではなく、3Dや4Dで体感するエンターテインメントです。
欠点としては、劇場で見た時が一番面白い映画であること。
劇場で見る選択肢なら迷わず一番オススメの劇場版なのですが、DVDで見るならば一番には勧めません。 YouTubeでジェットコースターの動画を見るようなものではないかと思います。
また、敵であるテゾーロの過去が匂わせ程度で終わるので、「敵の過去をもっと詳しく知りたかった」という声をかなり聞きました。
それは前回やったから!そんな人はきっと、Zが向いています。
4.『劇場版ONEPIECE STAMPEDE』(2019)
…はい、最新作。
お気づきでしょうか。タイトルから「FILM」の文字が消えました。
尾田栄一郎が、製作スタッフから外れました。
原作者が抜けてもそのままの勢いで駆け抜けて欲しい。という願望に見事応えて、
彼が関わり、3作かけて作ってきた注目とクオリティの基盤は見事受け継がれ、「劇場版ONEPIECEは面白いもの」という結果となって開花しました!
●こういう人にオススメ
・ルーキー、七武海、CP9、海軍、革命軍の概念がなんとなくわかる。
・バトル大好き!少年漫画はやっぱりバトル!
・デカくて、強くて、重いやつのパンチは最強!
・別勢力が手を組む展開が好き
・ONEPIECEのアニメ、最初の頃は見てた
前3作の敵、全員過去に囚われている猛者なのです。
過去に失った人や心を折られた出来事に引きずられ、ねじれた猛者たち。
それはもちろん大好きですが、つけこむ勝利への隙もそこにありました。
今回の敵は、まだ全然前を見ているパワーの塊。
「次は失敗しない」ため、野望に向けて全力で未来に走り出す、伝説の男です。
いやいやいや、もう、こんなやつ、誰が勝てんだよwwwww
欠点で言うならばマジで緩急がなく全力疾走すぎる映画であることや、麦わらの一味の出番が少ないことなどが挙げられそうです。
また、戦っているだけの映画の割に、この映画を楽しむためには前3作より知識が要ります。
なぜならストーリーが簡潔すぎるために親切な説明がないから。わからなければ、わからないまま置いてけぼりにされます。
衝撃の展開が起きていても、あなたにびっくりするための土台がありません。
もちろんバトルは知識がなくても楽しめますが、最低限理解とびっくりをしたいなら、原作を先に履修しておきましょう。
本編と関係ない夢のお祭り映画と思いきや、最終回かと度肝を抜かれるほどの、原作にとっての重要な立ち位置を任されている映画でもあります。
バトルを中心に据えた割にはちゃんと冒険が主題になっていること、冒険には仲間が必要であることがしっかり描かれており、原作とは全く違うアプローチでありながらONEPIECEであるという荒業を成功させてしまっています。
「ここまでバトルに偏重するのは流石にやりすぎ」?
それはさ~~~前回バランス最高のエンターテインメントやってるから、GOLD見といて
5.まとめ
あなたのONEPIECEの履修状況がわからないので的確なアドバイスではないかもしれませんが、ともかく熱意が伝わっていれば幸いです。
まぁ本当は原作読んで欲しいんですけど、映画って2時間で気楽に見れるから、その点では原作に勝ってるからね。もし映画から気になれば、原作に参入してくれればもちろん嬉しいです。
4作が4作とも、「ONEPIECEらしくて」「原作にはできなくて」「前作までとは全く違う試み」に成功している「そう来たか」の積み重ねで、今後の劇場版への期待も私はさらに高まっています。
でも次にどういう物をやるのかは、私にはちょっとまだ、想像がつかないなぁ。
楽しみに待っておこうと思います。
見た人、是非感想を教えてください。