ワンピースはどんなに辛い展開でもグッと飲み込んで読んできましたが…
マイミクの日記より
唯一納得出来ない点があります。それは、麦一味の不自然なパワーアップ。
ルフィ、ゾロ、サンジ。修行してる所とか試行錯誤してる所一切見せずに、いきなり「考えただけで」新技が使えるようになっている。
ルフィはギア2、3。ゾロは鉄が斬れるようになる。サンジはディアブル・ジャンブ。
漫画だからイージャン!とは思えない。好きな漫画だからこそ、強くなる経緯を描いて欲しかった!多分尾田先生の事だから読者を驚かせたい思いがあったんだろうけど、もんのすごく違和感でした。
特にルフィは物陰に隠れてコソコソするタイプじゃないし、ギア3なんかどうやって試した(笑)ギア自分で思いついて1人で体得するのはとんでもない事だと思うぞ!!科学者でも思いつくの大変だぞ!!←論点ズレとる
アニメのブルーノ戦のギア2は超カッコ良かったです
どう思いますか?多分こんな違和感抱えてるの私だけだと思うんですけど(笑)
ONEPIECEに修業シーン、ないですよね。
今回の過去編では、出来なかった頃の描写を入れることで、技を習得する過程を読者に想像させる。という手法を取ってきましたが…。
1.ルフィに修行シーンがない理由
ルフィの技はわりと本当にぶっつけ本番が多いようです。
なぜなら、10年鍛えてあるので。
この漫画、主人公の修行シーンは過去で終わってるんですよ。
ルフィの最終目的は強くなることではなく、「海賊王になること」です。
そして、そこにたどりつくための過程としての、「冒険をすること」です。
何のために事前に10年鍛えたのか。目の前を塞がれ、冒険を遮られないため。
いちいち立ち止まって、修行をしなくていいようにです。
修行が必要な主人公、こんなこと言いません。「強くならなきゃ」「力が足りない」「でも勝ちたい」って言うでしょう。
ルフィは、猛者と戦えるだけの力を持った状態で海に出ているのです。
ルフィが敵に苦戦する最も大きな理由は、まだ戦うには未熟だからとか、相手との実力差があり過ぎるからとかではありません。
敵の海賊たちの戦法に独自性があり、奇想天外だからです。
故に、バトルの展開にも想像がつきません。
そこで必要になってくるのが、状況判断力。機転。応用力です。
強い奥義や境地をひとつ習得し、相手を問わず当てようとする立ち回りにはあまりメリットがありません。
身体能力を上げて自分の能力を練り上げておけば、あとは実戦で状況に合わせた技を選ぶか、即興で技をひねり出すかのどちらかとなります。
ルフィは、状況を見て最適な持ち技を繰り出すことができるだけではなく、即興技もほぼノータイムで出すことができる。
彼はこれらの力に非常に長けた男なのです。
2.悪魔の実を使った奥義
またこの世界は同じ能力者が二人存在できない世界のため、基本的に、能力や奥義について先人に学ぶということができません。
CP9の2人が食べた悪魔の実は、食べる前に何の実なのかがわからなかった実でした。
このシーンを見る限り、(使いこなすコツがまだ掴めていないとは言え)能力者はほぼほぼぶっつけ本番で、自分の体がどういう仕組みで何をする実なのかを理解できていることがうかがえます。
であれば、能力者が技を獲得するために必要なのは「新たな自分の体をどう動かすか?」という、「慣れ」だということになります。
幼少時のルフィはまだ弱いためコツを掴むまでに時間を要していましたが、CP9は実を食べずとも、元々戦うプロでした。ルフィより短い時間で実の制御ができるようになっています。
さらに今のルフィの場合、ゴムゴムの能力とともに10年過ごしているというアドバンテージがあり、自分の力の把握に関して言うならば、CP9を上回っていると考えられます。
ルフィはギア発動前に「力いっぱい戦う方法を考えた」「試したい技がある」と言っており、まだ試したことがない技を考案済でストックしていたということになります。
初出しとはいえシミュレーション済の技であり、この時点でのルフィがぶっつけ本番で出せることも、おかしくないのではないでしょうか。
悪魔の能力に頼らないこの世界の共通奥義「覇気」でさえ、ルフィはひとまず習得できています。既にそれだけの実力はルフィにはあると考えてもよさそうです。
(流石に覇気を完全にモノにするためには、修業が必要かもしれないですが…。)
3.ゾロに修行シーンがない理…ないか?
まぁ、鍛練はしてますね。
ゾロだけ強くなることが目的の人なので。
ほかのクルーとの違いとして、そもそも彼だけ目標が違うからというのがあると思います。
それに加えてゾロの役職は唯一「戦闘員」なので、非常時以外の任務としては、戦闘に備えておくことでしょう。
また悪魔の実と違うところは、「剣士」という道には先人がいます。
この世界の「剣士」の道は、極めると物理の法則を超えていきます。
そして、そこは物理で鍛えているだけではたどり着けない場所です。
力の強さではなく、手の本数でもなく、精神面の向上により到達する場所。
覚悟だったり、誓いだったり、経験と心構えが「剣士」を次のステップに進めます。
Mr.1との死闘「鉄を斬る」は、ゾロがまさにその精神的な境地の先に進んでいくシーンです。
日頃鍛えた肉体に、戦いの中でステップアップした精神が宿る。
ゾロはそれを繰り返して新たな技にたどり着いていきます。
他のファイターとは違い、精神性で強くなる共通の高みが存在するのは、今のところ剣士のみ。
そんな「和の道」をゾロが進むの、なかなか粋じゃないですか?
3.サンジ、何やねん。何で強いねん
鍛えてないやん!お前!
なんでゾロと互角っぽく描かれてんねん!
まぁ、実力差はあるでしょう。
なきゃやってらんないよ、ゾロも。
サンジの実力というのは、めちゃくちゃはかるのが難しいんだと思います。
互角にケンカしてるように見えるのはゾロが手を抜いてるとかじゃなく、サンジが通常モードよりも何倍も強い状態になってるから。
何かをされた。誰かのために。怒りを理由に彼はヒートアップしていきます。
MAXで怒ってる時の瞬間風速でなら、ゾロの強さを超えるのかもしれません。
元々、女と男であれだけ態度が変わる人間です。サンジほど極端な感情ファイターは他にいません。
技名がほとんど料理なところを見ても、多分戦闘というよりは…
「食らえ!」という料理人の感情が出ているのかなぁ、という感覚で見ています。
戦闘員ではなく、彼は戦うコックさんなので。
5.まとめ
ルフィは自分の手札から、最も通用する技を選ぶことが得意な臨機応変ファイターです。
つまり目の前の敵が以前の敵より強ければ、繰り出すのはもちろん、より威力の高い新技。
ゾロはピンチに陥るたび、精神の扉を開けて上の境地に登っていく、求道者型のファイターです。
精神がレベルアップしたとき、それに見合う鍛えられた肉体が既にあれば、技を出せる。
サンジはその時の気持ち次第で発揮できる実力の変わってしまう、感情型のファイターです。
高まった怒りをリアルタイムに表出させ、技の形で食らわせている。
これらが、彼らが「いきなり知らん技を出している」ように見える理由です。
経験豊富な陽動技要員も増えて、即興の作戦バトルなんかも期待できそうになってきましたね。
今後のONEPIECEの戦闘シーンも、面白そうです。