ONEPIECE信者がヒロアカ映画を見て考えた「チームプレー」 -『僕のヒーローアカデミアTHE MOVIE/ヒーローズ:ライジング(2019)』-

※注意※

ヒロアカの原作未読、ほとんど知識がないまま「2人の英雄」と「ヒーローズ:ライジング」を見に行きました。

この記事の結論としては、「この映画を見たONEPIECE信者が、改めてONEPIECEを好きな理由を実感した」というものになります。

ヒロアカを踏み台に述べている記事なので、ヒロアカファンがここへたどり着いた時のために書いておきます。(きみが読むの平気ならば、私への文句や異論はなんでも受付中です)

1.ヒーローアカデミアのチームプレー

私は、ヒロアカ映画を見ていて割と息苦しい気持ちになりました。

「作戦やるよ!」
「おっけー!こっちは大丈夫!」
「いいね!こっちも任せろ!」
「そっちがピンチね!向かうね!」

序盤、雑用をこなすヒーローの卵たち。

「個性」以外の落ちこぼれ要素を持ってる奴が一人もいない。

この世界の生徒たちは守りたい者も戦うことができ、戦いたい者も守ることができる。
まだ未熟なため、そのための力はもちろん足りません。時にはミスをすることもあるでしょう。

でもチームプレーや細かい案件を最初から「できない」者が全く居ない。
全員が「ちゃんと目的に向かう」という能力を持っている。自ら「やらない」バクゴウがいるだけ…。

最低限の社会性が、全員ある…。

個人的な話ですが、私はこういうチームプレーの才能が全くないので
「この生徒たちのなかで生きられる気がしない。計画をジャマして破綻させるだろうし、100%浮いて邪魔者になると思う。」と友達に言いました。
聞いた友達は全員「そうだね。無理だね。わかる」と言いました。
まじで誰も否定しねぇ

みんなで「目的」を目指す。みんなで「作戦」を達成する。というのは、チームプレーの才能です。

得意一点特化型過ぎてチームから放り出されるような「個性」は恐らくこの世界では、めちゃくちゃに生きづらいよな…まぁ、学校だし彼らは優等生だと人から聞いたので、文句を言っても仕方ないんだと思うけど。

2.麦わらの一味のチームプレー

「一人で先走って勝手なことをする」
「自分で立てた計画を他人に伝えておきながら、すっかり忘れて別のことをする」
「わかった!って一番デッカく返事して、全然別のことをする」

私はずっと「共感型」の主人公が苦手だなぁと感じていたのですが、最近「ルフィっぽい」と言われることが多くて気づきました。

私、ルフィに割と共感できるんだわ。

世間的には最も共感できないキャラ筆頭の、ルフィに共感をする人間だった(異常者じゃん)

ルフィや悟空はああいう世界ならああやって最高の主人公になれるんだけど、普通の人間に混ざって真面目に仕事するのは無理なのです。
そしてヒロアカの世界は、そういうまともにチームプレーができない人間が居ない。

というか、そういう人間は恐らくアカデミア入学前に脱落しており、そもそも存在していないっぽい。

その悩みで生きるに詰まっている人には、この世界が自分のような存在を切り捨ててできているコミュニティだということが見えてしまいます。
私がこの世界でヒーローを目指すことはできないんだろうか?ヒーローになるための他のルート、あるんだろうか…。

一方で麦わらの一味に所属するためには、チームプレーの才能は要りません。どんなにデカい欠点があっても、補う仲間が居てくれる。生きてていい。

ONEPIECEでは、チームプレーの才能がある周りの奴が、ルフィの活躍までを繋いでくれます。
ルフィが話を聞くのは無理なので、話を聞けるやつが話を聞きます。そして、敵の前にルフィが立てる状況を作り出す。

ルフィは状況や作戦を知らず、殴り飛ばせば終わる状況に立って、敵を殴るだけ。

ルフィが何かやらかせば、得意な奴が後からフォローに回ります。これはナミさんがお宝で足が止まっても、ウソップが怯えて止まっても同じ。誰か得意な人間が不得意をリカバリします。

皆が真面目に考えてるときこういうこと言い出す奴、「真面目に目的を達成する気あんの!!?」と思われるんですよ。
「これでやる気は同じだけある」と思ってくれる世界って、他のどこにもない。

これルフィが真面目なのめっっっちゃわかる

自信満々にわかった!した直後に居なくなるルフィ

ヘンテコなこと自動的に考えちゃって、大事なことを忘れ去る不真面目な脳みそってあるんです。
小さな頃から「真面目にやってない」って思われがちでめちゃくちゃ損をしてきたので、それで追い出されない麦わら一味は本当に私には救い。

「まぁあなただからね」って思ってもらえる場所というのは、めちゃくちゃ生きやすいです。

けど「これがオレだから仕方ない」は慢心だからね
自分なりに、できるだけを一生懸命にやるから「あなただからね」と思ってもらえることを、忘れちゃいけないなとは、常々思っています。

真面目でしょ

3.STAMPEDEとトラファルガー・ロー

で、そうやって麦わら一味の「得意なとこ担当作戦」で大成功をおさめた映画GOLDに対して、STAMPEDEは、計画のリーダーがローでした。

チームプレーに大失敗してます!!!!

ロー率いるハートの海賊団のメンバーは、ローが危険を察知して「絶対についてくるな」という指示をした場合、マジでちゃんと船で待ってることができます。
心配で、ついていきたい気持ちもあるでしょう。でも指示に従わずに余計なことをしたら、足を引っ張ってしまう可能性もある。

「キャプテンの指示に従う」ことでチームプレーを行い、信頼を築き、目的に向かって進むことができる一味です。

「この子が作戦立てるの得意だから(もしくはリーダーだから)、この子の作戦に従ってそれぞれ、自分の得意な持ち場に」という判断ができるのがヒロアカのチームにせよ、ローのチームにせよ、社会性を元にしたチームプレーです。

だからこそ、それに慣れてたらローが面食らうのもわかるというか
それが普通はできると思って作戦組んで、誰もできなくてイライラしてるのがSTAMPEDEのトラファルガー・ローさんです。

GOLDのルフィ、STAMPEDEの蛇姫に該当するような、作戦を聞かずに走り出す人物がヒロアカには一人も居ないよなという話。

同盟組んで結構経つのに、未だに「目的が同じなのに作戦に参加できない奴」の存在を理解できず、「麦わらの一味にろくな指示が通らない」ことに慌てたり怒ったりし続けているのは笑ってしまう。
ルフィや蛇姫が居るときの作戦の立て方をGOLDをしっかり見て学んでほしいと思います。

でも、社会性があって普通なのはローやヒーローアカデミアで、彼らは悪くないどころか基本的にチームプレーとは彼らの構築している状態が理想だと思います。
私みたいな…ルフィみたいな人間が、居ないのであれば。

海賊になろうかな。

4.ヒーロー映画アベンジャーズ

横道にそれますが、こんなツイートを見たのでアベンジャーズに関しても言及します。

ヒーロー映画で一般市民を守る描写がないと不満とのツイートを過去に見かけたことあるけど、そんな方にはぜひ『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ヒーローズ:ライジング』を観て
もらいたい。凄いよあの子ら、始めから終わりまで一般市民を守ることしか考えてない。凄いよ

ツイート引用

「ヒーロー映画」がどれを指しているかわかりませんが、実際にアベンジャーズは話が進むと民間人を助ける描写がガンガン減っていきます。

これは、おそらくわざとです。

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アベンジャーズは元々、それぞれが「民間人を助けたいと思ってる奴」だった。ということは、民間人の命を脅かす巨悪が襲来した時には、全員それを倒したい奴であることは間違いないはず。

なのに、いざその時になって彼らを集めると、全然協力することができず、延々バラバラして上手くいかない。なんでだ!!お前ら目的一緒だろ!!

目的が明らかであっても、我が強すぎてチームプレーができない奴らが存在します。
キチンと一般市民を守りつつ強敵とも戦うヒロアカ生徒の有能っぷりに比べると、一般市民を守ろうとしたらシビルウォーが始まるアベンジャーズ、アホすぎる。当初の目的…ひとつなのに…

結局、ひとつになるのに10年以上かかったし…。

「個性」が能力の差に留まり、マイナスな事態を引き起こさない人格の持ち主ばかりのヒロアカ生徒。「一般市民を守る」という目的に向けて全員で動ける彼らは…本当に偉い…

5.まとめ

堀越先生の前作はそこそこ読んでましたが、主人公が自由ムーブで周りを振り回すのにワガママな印象で終わってしまいました。デクを主人公に方針転換したのは本当に大正解だし、絶対こっちであってると思います。

読んでないのに偉そうにごめんけど

ヒロインかわいそう

尾田っちと堀越先生の対談、ルフィとコビーみたいでちょっと笑ってしまった(ヒロアカ映画前作・入場者特典より)堀越先生はルフィのこと好きなんだろうけど、多分ご本人は自由人の生き方をしてる人じゃないんだろうな。

最初の頃に「ONEPIECEの後継」とか言われてたので似た傾向の話かと思っていたら、ONEPIECEとは完全に真逆なんですよね。確かに一見して、個性豊かなメンバーが協力し合っているように見えはするんですよ。

でも、直近2作の映画を比較しただけでも、ONEPIECEは状況判断できる奴が、タイミングをあわせて戦う奴を前に出して戦わせている。ヒロアカは全員が状況を判断して、得意な奴が前に出ている。

明らかな違いがありました。戦ってるだけの奴、作戦立てる奴、作戦からこぼれ落ちてる奴を拾って作戦に戻す奴、みたいな偏りマンがヒロアカ劇場版には全く居なかったです。

「お前にできねェことはおれがやる、おれにできねェことをお前がやれ」の完全役割分担をしているONEPIECEに対して、「勝って助ける、助けて勝つ」のヒロアカ。デクたちは、個人での向き不向きで役割を諦めない。

まぁ本当に好みの話なんだけど、私は役割分担の話が好きなのです。(自分が偏りマンだから)(努力でどうにもならなかったからね)

劇場版でONEPIECEがそこを集約してくれていたので、ヒロアカもそうやって集約しているのがこれかな…と思いながら見ました。
ヒロアカ原作読んだら印象が変わるよ~とか、それは違うよ~とか、あったら教えてほしいです。読んでないのは、私が悪いので。

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