「防御システム」イーディスがエンドゲームで無反応だった理由 -『スパイダーマン/ファー・フロム・ホーム(2019)』

元記事
Endgame Plot Hole

記事の内容
エンドゲームでサノスがアベンジャーズ本部を襲撃した全宇宙最大規模の危機。
その時イーディスが無反応だったのはおかしい。

トニーは「エンドゲーム」で命を落としているし、「ファーフロムホーム 」でピーターにサングラスを渡していることは、事前にシステムが完成していたことを表している

※FFH、まだ一回見ただけなので、私の勘違いがあればご指摘ください


トニーがエンドゲームの最中亡くなっているので、イーディスの引き継ぎはその前には行われていたはず。
たしかに。

しかし、彼の後を継いでイーディスを誰かが完成させた可能性もあり、引き継ぎの時点でシステムが完成していた。とは言い切れないかもしれません。

エンドゲームでトニーがイーディスを使用しなかった理由は、「まだ完成していなかったから」では?

1.イーディスは完成していなかった?

イーディスは、他人に引き継ぐための仕様で作られていました。
わざわざ自分が死んだ後を考えて用意したものが、いざ死んですぐは使えない。なんてことが、あるでしょうか。

またトニーが死の危機を感じて映像を残したのは、「タイム泥棒」の作戦が開始したタイミングです。
専門外で、不可能に近いはずのタイム泥棒を完成させながら、本業のシステムであるイーディスが、間に合わなかった。なんてことが、あるだろうか…?
あの、トニーが…?

イーディスが、トニーが死んだあとのため作られたものであるなら、完成せずにトニーが死んでいるのはおかしいのです。

ところが、エンドゲーム前に完成していたと考えてみた場合も疑問があります。今度はピーターが復活しておらず、受け渡し先が存在していなかったということになります。

死のリスクに挑むためにわざわざ事前に作ったものを、受け渡せないままで作戦に突入する…なんてこともまた、あっていいのだろうか…。

「タイム泥棒」が成功することを、信じていたのだろうか?
もしくは、実は生存している他のアベンジャーズにも、使用権は開放されていたのだろうか?
または、もっともっと前から作られていて、ピーターに受け渡す時期を見計らっていたのかもしれません。

あるいは、あともうひとつ可能性があります。

エンドゲームではまだ未完成だったのではなく、ピーターの復活を受けて思い付いた計画だった。という可能性です。

ピーターと抱き合って、自分が消えたあとの世界のためではなく、ピーターのためになにかを遺そうと思った。
そして、フライデーに作らせた。
ハッピーに託した。

このタイミングであれば、イーディスが完成するのはエンドゲームが終わった後になるでしょう。

しかし、そんな描写はありませんでした。
この部分は想像でしかなく、答えはありません。

個人的には、私は「タイム泥棒」の前にイーディスは完成し、引き継ぎされていたと思います

その理由をあとで述べるとして、では仮に、イーディスが完成していたとするならば、なぜエンドゲームで使わなかったのか?という疑問。


2.イーディスが使われなかった理由

サノス戦では、トニーは余力を残して戦っていたのでしょうか?

キャプテンマーベルが突如襲来したとき、まだ姿も見えていないうちからサノスの船は一斉に砲台を向けました。
すなわち、サノスは空からの襲来には対応ができたと考えられます。衛星ミサイルを迎撃することも可能だったかもしれません。

また、スカーレットウィッチから攻撃を受けたサノスは、“我が軍”を巻き込むも厭わない、無差別攻撃に出ました。
同じような武器を持っていたとしても、トニーがあの場でそれを使うとは考えられません。

全力で戦うというのは、武器を使いきることではないと思います。
「いまだ!」というシーンで、「これだ!」という武器を選び、使うこと。

アイアンマンの武器は、使える手札の多さと、それを選び、使いこなすトニースタークの頭脳です。
衛星ミサイルは、手札のひとつ。
「いまだ!」というシーンにあわせて武器を選び戦っていった結果、最後の「いまだ!」で彼は指を鳴らした。

使われなかったものでいうなら、衛星ミサイル以外にもまだまだ沢山あるのではないでしょうか。

加えて「もし上手くいかなかったら?」と一人だけ異を唱えていた用心深いトニーが、サノス戦での「最悪の結末」を、想定していなかったとは思えません。

仮に、サノスと相討ちではなく、トニーが先に倒れていたら?

私は、その時はイーディスが起動していたのではないかと思います。
 イーディスは、トニーがサノスを相討ちにできたからこそ、平和的にピーターに受け渡されたのです。

3.そもそもイーディスは「防御システム」じゃない

まず、そもそもの根本的な話ですが、あれは「防御システム」ではないと思います。
ピーターに受け渡されたものは武器ではなく、AIを通した命令系統。

さっきも言った通り、いくら強い武器でも「いまだ!」というシーンで「これだ!」を選択する者が必要です。
今まではトニーがアイアンマンのブレーンとして、それを行っていました。

サノス戦において途中でトニーが死んだ場合、アイアンマンはまだ使える武器を抱えたままで、同時に戦線離脱します。
それを事前に引き継いでおくことによって、トニーからアイアンマンだけをスムーズに継承させよう。というものが、イーディスだと認識していました。

つまりトニーが生きてる限りは、トニーの武器はトニーが、アイアンマンとして自分で運用すればいいのです。

エンドゲームのタイミングでイーディスを起動させたところで、指示系統が分散するだけ。2人のパイロットが同じ武器の在庫を共有するだけです。

エンドゲームにイーディス、要りますかね?

もちろん衛星で起動するあのミサイルもイーディスが扱える武器ですが、扱える武器のなかのひとつにすぎません。

また、イーディスがいつ完成したのか?という話に戻っても、武器ひとつならまだしも、ここまで高度なAIをトニー以外が作れただろうか?と考えた場合、やはりトニー本人が手がけたとしか考えられないような気がします。

ピーターがミステリオに譲り渡してしまったものは、超強力な武器のトリガーではなく、武器を選び放題の、アイアンマンのコックピットだったのですよ。

ひぃ、怖

以上の理由から、私は

「エンドゲームではイーディスは完成していたが、使う必要がなかった」

という結論に至りました。

いいですか、脚本の穴ではない。
脚本の穴ではないです!

まぁもう一回自分で見てきて翻す可能性もあります(こんなに言っておいてそこまで自信がない)
異論・反論・間違いなどありましたら、教えてください。

タイトルとURLをコピーしました